絵本庭訓往来 正月返

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション

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改年吉慶かいねんのきつけい まかさ
御意ぎよいに 候之條 さふらふのでう。先以まづもつて
目出度覚候 めでたくおぼえさふらふ。自他じたの
嘉幸かかう万々々 せんばん〳〵。御芳札ごはうさつ
披見之処 ひけんのところ。青陽遊宴せいやうのゆうえん
殊珎重候 ことにちんちやうにそろ。堅凍早けんとうはやく
解 とけ。薄霞忽披 はくかたちまちひらく。すなハちべき うながす
拝仕はいしを 之所 のところ。自他之故障じたのこしやう
不慮至也 ふりよのいたりなり。百手達者もゝてのたつしや
究竟之上手 くつきやうのじやうず。一両いちりやう
はいべき しむ 同道どう〳〵せ なり
ただし的矢まとや蟇目ひきめとうハ
無沙汰憚入候ぶさたはゞかりいり。いつ
種一瓶者しゆいつぺいハ衆中しゆちう
之課役 のくわやく。かけもの引手ひきで
物者ものハ亭主之ていしゆの
奔走欤 ほんさうか。内々ない〳〵べし
えら 御意ぎよい。 ばん
事物忩之間じぶつさうのあひだ
およバ 一二つまびらかに。 しかしながらごし めん
謁之時えつのときを 候 さふらふ。恐々きやう〳〵
謹言きんげん
 正月六日 石見守中原いはミのかミなかハら
謹上きんじやう 源左衛門尉殿げんさえもんのじやうどの