絵本庭訓往来七月往

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション

乍ながら_㆑ 恐をそれ申入候まふしいれさふらふ。不慮之外ふりよのほか。
被られ_㆑ 駈かり_㆓ 加くハへ傍軰之所営はうばいのしよゑひに_㆒ 候さふらふ
之間のあいだ。微力びりよくの所ところ_㆑ 及をよぶ。依よつて_㆑ 令せしむるに_㆑ 奔ほん_㆓ 走さう東西とうさいに_㆒。不ず_㆑ 得ゑ_㆓ 寸すん
暇かを_㆒。直ぢきに捧さゝげ_㆓ 愚状ぐじやうを_㆒ 候さふらふ。自由之至候じゆうのいたりにさふらふ。得ゑて_㆓ 御意ぎよいを_㆒。内々可ない〳〵べき
_㆑ 被る_㆓ 洩申もらしまふさ_㆒ 也なり。抑来廿日比そも〳〵きたるはつかごろ。勝負経営候しやうぶけいゑいさふらふ。為ために_㆓ 風ふう
流りうの_㆒。可べき_㆑ 入いる之物のもの。非あらず_㆑ 一いつに。紅葉もみぢ
重楊裏がさねのやなぎうら。薄紅梅うすこうばい
色之筋小袖いろのすじこそで。隔子かうし
織物をりもの。単衣ひとへぎぬ。濃紅こきくれないの
袴はかま。美精好裳びせいこうのも。唐から
綾あや狂文唐衣きやうもんのからきぬ。朽葉くちば
地ぢ。紫羅物むらさきうすもの。袙練貫あごめねりぬき。浮うき
文綾摺もんのあやすり。絵書目結巻ゑかきめゆいのまき。染そめ
村紺掻むらのこんかき。浅黄小袖あさぎのこそで。同懸帯をなじくかけをび。
蒔絵手箱まきゑのてばこ。硯筥すゞりばこ。冠かんふり。表衣うへのきぬ。
水旱すいかん。直衣なをし。狩衣かりぎぬ。烏帽子ゑぼし。
直垂ひたゝれ。大口をゝくち。大帷子をゝかたびら。太刀たち。長なぎ
刀なた。腰刀こしがたな。箙ゑびら。胡籙やなぐひ。大星行をほぼしのむか
騰ばき。房ふさ。鞦しりがい。牛胸懸等うしのむねかけとう。雖いへども_㆑ 非あらずと_㆓
上品じやうぼんに_㆒。任まかせ_㆓ 注文ちうもんに_㆒。無なき_㆓ 相違そうい_㆒ 之の
様やう。可べき_㆑ 被る_㆓ 申下まふしくださ_㆒ 也なり。恐々謹言きやう〳〵きんげん。
七月五日左衛門尉さゑもんのぜう大中臣をゝなかとミ
進上しんじやう宮内少輔くないのせうふ殿との