絵本庭訓往来 八月往

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション

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下着以後久けちやくいごひさしくざる けいせ 案内あんないを のでう。ほとんどごとし わするゝが 徃日之芳恩わうしつのはうをんをすこぶるあらず
胸中等閑けうちうのとうかんに只自然之懈怠也 ただしぜんのけたいなり。恐入候也 をそれいりさふらふなり。抑洛陽静謐そも〳〵らくやうせいひつ
田舎無為 いなかぶゐ。貴邊御本望也きへんのごほんもうなり
愚身快楽ぐしんのけらくべき さつせら也 なり。ついて
これに御引付沙汰定をんひきつけのさたさだめて をこなハさふらふ
欤 か。所領安堵しよれうあんど遺跡之相論ゆいせきのさうろん
越境違乱之間 えつきやういらんのあいだ。ほつする いたさんと さん
之處 のところ。此間疲労このあいだのひらう所領しよれうの
侘傺たくさいがたく 合期ごうごし 候 さふらふ。よつて 貴方きはうの
扶持ふちに べき しんず 代官だいくわんを 也 なり。短慮未練之仁 たんりよミれんのじん。しむる 稽古けいこせ 之程 のほど。ずん
くわへら 御詞をんことバを 者 バ。越度出来欤 をちどいできたらんか。 かき あたへら草案土代さうあんどだいを いん どうせ
奉行所ぶぎやうどころに 者 ば。恐悅候 きやうゑつにさふらふ。ひき つけ問住所もんじうしよに 上裁勘判之躰 じやうさいかんはんのてい。
見議定之趣けんぎじやうのをもむき評定衆以下ひやうでうしゆいげべし ちうし たまふこれを御沙汰之法 ごさたのはふ。しよ
務規式 むのぎしき。雜務流例 ざふむのりうれい。下知成敗げちせいばい傍例納法律令はうれいなつはふりつれい。
武家相違 ぶけのさうゐ。存知仕度候ぞんぢつかまつりたくさふらふいへども 晩学候ばんがくにさふらふと蛍雪 けいせつ。鑽仰之さんがうの
功 こう。 べから 捐 すつ。かし たまハらハ古日記ふるきにつき法例はうれい
引付ひきつけをくハへ 一見いつけんを をいて 不審事ふしんのことに バ。
べき 尋明たづねあきらむ 也 なり。右筆等ゆふひつとういへども がたく かなひ
さふらふと雜訴風情斗者 ざつそのふぜいばかりハ。なし くハん
見之窺けんのうかがひを 度候 たくさふらふ。心中しんぢう をよバ
がうにしかしながらごす 面拝めんはいを恐々謹言きやう〳〵きんげん
 七 月丗日ぐわつつごもり 加賀大丞かがのだいぜう和氣わけ
謹上きんじやう 民部大輔ミんぶたゆふ殿との