絵本庭訓往来 九月返

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション

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芳札之旨ほうさつのむねせしめ 披見ひけん
候訖さぶらひをハんぬまことにべき ある 御給こきう
之旨のむねらるゝ 誓願せいぐハんせ
いま懈怠之条けだいのでう
凡情常業障也ぼんじやうつねのごうしやうなりもつともべき らる
しや者也ものなり唱導事しやうどうのこと申入もふしいれ 之處のところ
のぞんで 其期そのごに 手輿てごしへき たまふ 御迎おんむかひ なり善根ぜんごんの
こと兼日けんじつべし らる しんぜ 諷誦願文ふしゆかんもんを 佛像ふつぞう
經巻讃嘆者きやうかんさんたんハ あるべから 子細しさい 堂塔供だうたうく
養并法華八講者やうならびにほつけはつこうハあひ あたる大法会儀式たいほうゑのぎしきに
べし ある 法服登高座大行道等ほうふくとうかうざだいきやうだうとう もつて しやう
道名僧だうめいそうを べし らる 其節そのせつを 講師かうし讀師とくしちう
堅者しゆしや證義しやうぎ探題并唄散花たんだいならひにばいさんけぼん
をん錫杖しやくでう對揚たいやう咒願じゆぐハん
師等しとうべし らる くハへ うけこれを なりれい
人舞童儀式じんぶどうのぎしき殊大ことにたい
切也せつなり法會之指南ほうゑのしなんもつて
これを さきとべき らる 用意やうゐ 物者ものハ
縁道之絹ゑんとうのきぬ講房薦かうばうのこも
縵幕まんまく大寳高座たいほうかうざ
僧蓋そうがい瓔珞ようらく如意によいかう
香箱かうばこ白蓋ひやくがい白拂ひやくほつ
法螺ほうら焼香しやうかう造花つくりはなしよく
つくえ臨時之纏頭りんじのてんたう
左道之儀也さだうのきなりなき
周章しうしやう 之様のやう兼日けんじつべき
調置とゝのへをく なり心事雖しんじいへども
おほしと帋面しめんあり かぎりゑて 御意きよいを へき らる したゝめ
委細いさいごし 見参之時けんさんのときを 恐々謹言きやう〳〵きんげん
 九月 日         侍者じしや
平入道たいらのにうどう殿どの