絵本庭訓往来 十二月往

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション
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御住国之後ごちうこくののち烏菟押うとおし
うつりはるかにざる とげ 面談めんだんを
あいだすこぶることし わするゝが 徃日之わうじつのぢつ
きんを 随而したがつて御上洛之ごぜうらくのところ
ざる あづから 音信ゐんしんに 之条のでうミつ
けいなく 其甲斐そのかい 隔心之かくしんの
いたりいへども 憚存はゞかりぞんずと こゝろミにおよぶ 推望すいりやう 御氣色こけし如何いかが然而しかうしてくにの
土産どさん旅籠振等はたこふるひとういひ かれといひ これとてんじて ひを何比乎いつころぞや
兼日けんじつ 示給しめしたまハ べし やむ 他行たぎやうを かつ住國之ぢうこくの
あいだ在廳之ざいちやうの官人等くハんにんらしよぎやう府邊ふへんに
官輩くハんのともから景勢きやうぜい着任ちやくにん着苻ちやくふ儀規式きしき官吏くハんしたい
奏饗膳そうのきやうぜん厨規式くりやぎしき両用納法りやうやうなつはう郡司くんしはん
官代等くハんだいとうの沙汰さたために 才学さいかくの べき 示給しめし為ふ なりため
稽古けいこの 巨細こさい奉度うけたりたく
なり何様なにさまとげ 面謁めんゑつを
心事しんじべき 啓達けいたつす なり
恐々謹言きやう〳〵きんげん
     隼人佐はいとのすけ
十二月三日
謹上きんじやう 越前守殿ゑちぜんのかミどの