絵本庭訓往来 三月往

絵本庭訓往来 | 往来物・和算書 | 国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション

祝言しうげん於おいて_㆑ 于に_㆑ 今いま者ハ雖いへども_㆓
事旧候 ことふりさふらふと、_㆒ 尚以なほもつて珎重々々ちんちやう〳〵
慶賀 けいが。遂 おつて、_㆑ 日 ひを、重畳ちやう〴〵
家門かもん迎むかへ_㆑ 年 としを、繁昌はんじやうす
自他 じた、不ず_㆑ 可べから_㆑ 有ある_㆓ 際限 さいげん。_㆒
早 はやく、可べく_㆑ 令しむ_㆓ 参賀さんがせ_㆒ 候さふらふ
抑そも〳〵御領入部ごりやうにうぶ無なき_㆓
相違さうゐ_㆒ 之条 のでう。先以神まづもつてしん
妙之由 びやうのよし。御感候也 ぎよかんさふらうなり。
就ついて_㆑ 其それに四至傍示之ししほうじの
境 さかひ。阡陌 せんはく、聊 いさゝか、不ず_㆑ 可べから_㆑ 被る_㆓
混乱 こんらんせら。_㆒ 他所たしよ被るゝ_㆑ 致いたさ_㆓
精廉沙汰せいれんのさた_㆒ 之条 のでう。奉公忠勤也 ほうこうちうきんなり。厨椀飯くりやわうはん無なくん_㆓ 相違さうゐ_㆒ 者バ
早はやく課おほせて_㆓ 沙汰人等 さたにんとうに。_㆒ 地下目録取帳以下 ぢげもくろくとりちやういげ。文書もんしよ済例さいれい
納法之注文 なつほうのちうもん。悉こと〴〵く可べき_㆑ 被る_㆓ 召進めししんぜら_㆒ 也 なり。容隠之輩よういんのともがら隠おん
田之族 でんのやから。為ため_㆓ 罪科ざいくわの_㆒ 可べき_㆑ 被る_㆑ 注ちう_㆓㆐ 進しんせら
交名かうめいを_㆒ 也 なり。且東作業之事 かつハとうさくぎやうのこと。兼けん_㆓㆐
相さうして水旱之年 すいかんのとしを。_㆒ 須すべからく…べし_㆑ 計はかる_㆓ 〓*1迫之 ゆはくの
地 ちを。_㆒ 被れ_㆑ 致いたさ_㆓ 所務 しよむを。_㆒ 有あら_㆘ 可べき_㆓ 開作かいさくす_㆒ 之地のち_㆖
者 ば。招まねき_㆓㆐ 居すゑ農人 のうにんを。_㆒ 令しめ開かい_㆐㆓ 發ほつせ之 これを。_㆒ 於おいて
_㆑ 可べきに_㆑ 任まかす_㆓ 用水之便ようすいのたよりに_㆒ 者 ハ。為して_㆓ 土民之どミんの
役やくと_㆒ 可べき_㆑ 修しゆ_㆓㆐ 固ごす堤つゝミ井ゐ溝ミぞを_㆒ 者也 ものなり。佃つくだ
御正作之勧農 ごしやうさくのくわんのう。除のぞき_㆓ 迫地はくちを_㆒
撰えらみ_㆓ 𤎼田 じゆくでんを。_㆒ 急いそぎ令しめ_㆑ 下げ_㆓㆐ 行ゝようせ種しゆ
子農料 しのうりやうを。_㆒ 促うながし_㆓ 鋤すき鍬くハ犂等からすきとうの
農具 のうぐを。_㆒ 令しめ_㆑ 耕かう_㆓㆐ 作さくせ粳うるしね糯もち早稲わせ
晩稲等 おくてとうを。_㆒ 西収期せいしうのごハ可べし_㆑ 願ねがふ_㆓ 舂法ついほう
既得 きとくを。_㆒ 次畠事 つぎにはたのことハ。蕎麦そバ大だい
豆づ小豆せうづ大角豆ささげ粟あハ麦むぎ
黍きミ稗等 ひえとう。随したがひ_㆓ 畑はた山畠之乾やまばたのかん
𤎼 じゆくに。_㆒ 可べし_㆑ 課おほす_㆓ 桒代加地子 くハしろかちしを。_㆒
遂とぐる_㆓ 毎年実検まいねんじつけんを_㆒ 之節のせつ。敢あへて
以もつて不ず_㆑ 可べから_㆑ 存ぞんず_㆓ 自由之依怙 じやうのえこを。_㆒ 次つぎに
御舘造作事 ミたちざうさくのこと。不ず_㆑ 可べから_㆑ 有ある_㆓
各別作事 かくべつのさくじ。_㆒ 奉行早ぶぎやうはやく
四方しほうに構かまへ_㆓ 大堀 おほほりを。_㆒ 其内そのうちに可べし_㆑ 用よう_㆓㆐
意いす築地ついぢ棟門むねもんを。_㆒ 唐門者からもんハ
有あり_㆓ 斟酌之儀 しんしやくのぎ。_㆒ 於おいて_㆓ 平門ひらもん上あげ
土門つちもん薬医門之間 やくいもんのあいだに。_㆒ 可べし_㆑ 相あい_㆓㆐
計はからふ之 これを。_㆒ 寝殿者厚萓葺 しんでんハあつかやぶき。板いた
庇廊中門 びさしのらうちうもん。渡殿者裏板葺 わたりどのハうらいたぶき。
侍さふらい御厩ミうまや會所 くわいしよ。囲炉裏之間 いろりのま。学がく
文所もんじよ公文所くもんじよ政所まんどころ膳所ぜんどころ臺所だいところ贄にえ
殿どの局つぼね部屋べや四阿あづまや桟敷さんじき揵児 けんでい
所者しよハ芦萱葺あしかやぶきに可べき_㆓ 支度したくす_㆒ 也 なり。南みなミ
向者むきハ通とほし_㆓ 笠懸馬場 かさかけのばばを。_㆒ 令しめ_㆑ 結ゆハ_㆑ 埒らちを
同おなじく可べし_㆑ 築つく_㆓ 的山之 まとやまこれを。_㆒ 東面者ひがしおもてハ構かまへ_㆓
蹴鞠之坪 しうきくのつぼを。_㆒ 被れ_㆑ 殖うゑら_㆓ 四本懸 しほんがゝりを。_㆒ 泉せん
水立石すゐのたていし築山つきやま遣水やりミず任まかせ_㆓ 眺てう
望 ぼうに。_㆒ 随したがひ_㆓ 方角 ほうがくに。_㆒ 無なく_㆓ 禁忌之様 きんきのやう。_㆒
可べし_㆑ 相あひ_㆓㆐ 計はからふ之 これを。_㆒ 相續あひつゞひて客殿きやくでんに可べし
_㆑ 立たつ_㆓ 檜皮葺之持佛堂 ひはだぶきのぢぶつだうを。_㆒
礼堂らいだう庵室あんしつ休所者やすミところハ先まづ
假葺也 かりぶきなり。傍又かたハらにまた可べし_㆑ 構かまふ_㆓ 土蔵どざう
文庫 ぶんこを。_㆒ 其中間者屏也 そのちうかんハへいなり。
後園之樹木こうゑんのじゆもく四壁竹しへきのたけ
前栽之茶園 せんざいのさゑん。同おなじく可べき_㆓ 調とゝのへ
植うゆ_㆒ 也 なり。被るゝ_㆓ 仰下おほせくださ_㆒ 條々 でう〳〵。無なく_㆓ 怠慢たいまん、_㆒ 被れ_㆓ 勤仕きんしせら_㆒ 者バ可べき_㆑ 被る_㆓ 忠賞ちうしやうせら_㆒ 之の
旨 むね。所ところに_㆑ 仰あふぐ候 也なり恐々謹言きやう〳〵きんげん
 三月七日   玄蕃允げんばのすけ平たひら
  御政所おんまんところ殿との

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